衛生管理者の難易度・合格率
衛生管理者の難易度
衛生管理者を受験しようとするとき、まず気になるのが試験の難易度です。ほとんどの人が、世間一般的に、難しいのか、それとも易しいのかを調べるわけですね。
難易度情報によっては、ご自身の衛生管理者試験の勉強のやる気にも影響を与えるでしょう。難しすぎるものは、途中で挫折しやすいものです。では、本題に入っていきましょう。
第一種衛生管理者の難易度
まず、第一種衛生管理者試験の難易度は、資格のガイド本などを見ても「普通」という評価が多いですね。つまり、一般的な社会人が勉強をした場合「普通」の難易度ということになります。
ただ、難易度が「普通」と言われても、どう「普通」なのかよくわかりません。大切なのは、”自分にとって難しいの?簡単なの?”ということなのですから、「普通」という評価がよくわからないのが当たり前です。
私も講師をしていると、よく聞かれることがあります。「第一種衛生管理者の難易度は、どれくらいでしょうか?」
私は「一概には答えられません。」と答えることがほとんどです。
そのあとに、こう付け加えます。「ただし、現時点での知識量と、仕事との関連性に大きく左右されます。」
第一種衛生管理者試験に関連する仕事をしていれば、比較的易しく感じるかもしれません。反対に仕事との関連性がほとんどない場合は、難しく感じることもあります。
第二種衛生管理者の難易度
市販の資格試験のガイド本を見ると、第二種衛生管理者の難易度は第一種と同じく「普通」という評価が多く見られます。
ただし、第一種よりも第二種衛生管理者試験の方が、難易度は高くありません。
これは、試験科目数、試験問題数が、第二種衛生管理者試験の方が少ないからです。覚えなければならない内容が、少なくて済むということですね。
また、第一種と第二種の難易度の違いは、他にもあります。第二種衛生管理者試験には、有害業務に関する内容が含まれていません。
衛生管理者試験を受験する方の中には、総務、庶務などの事務部門で仕事をされている方が多くいらっしゃいます。
有害業務について知識や経験がある人であれば、第一種の勉強に入りやすいのですが、事務部門の方にとっては取っつきにくいことが多いのです。ですから、有害業務に関する内容が含まれない第二種衛生管理者試験は、難易度が下がるということです。
衛生管理者試験は、努力して勉強すれば、どんな方でも必ず合格できる資格試験です。衛生管理の知識は、全ての社会人にとって必要だと思います。ぜひ多くの方に、挑戦していただきたいと思っています。
衛生管理者の合格率
衛生管理者の合格率について見ていきましょう。一般的に、試験の合格率が高ければ、比較的簡単な試験だと考えられます。
反対に、試験の合格率が低ければ、比較的難しい試験だと考えることができます。第一種衛生管理者の合格率は、現在50%前後となっています。
また、第二種衛生管理者の合格率は、現在は65%前後になっています。つまり、統計上は、10人受験すれば、5~6人は合格して、4~5人が不合格になるという計算です。
合格率から見てもすごく難しい資格でもないし、すごく簡単な資格でもないことが分かります。
第一種衛生管理者の合格率
第一種の合格率をそのまま鵜呑みにするのは危険です。なぜなら、第一種衛生管理者試験には2種類あって、その2種類の試験の合計が50%という合格率になっているからです。
第一種衛生管理者の試験には、「第一種衛生管理者免許試験」と「特例第一種衛生管理者免許試験」の2種類があります。
「第一種衛生管理者免許試験」は、通常の5科目の衛生管理者試験になります。
一方「特例第一種衛生管理者免許試験」は、第二種衛生管理者免許を持っている人が受験する第一種衛生管理者試験なのです。
「第一種衛生管理者免許試験」よりも「特例第一種衛生管理者免許試験」の方が、3科目少なく、比較的簡単な試験となります。
また、「特例第一種衛生管理者免許試験」では、第二種衛生管理者の知識を持っている人が受験するので、受験者さんの知識レベルも高いのです。
第一種衛生管理者試験の合格率は、こういった要因から少し引き上げられていると考えられます。
私の受講者さんではありませんが、こういう方が居ました。「合格率を見て、独学で行けるかもしれないと思い、第一種衛生管理者を受験したけど、思いのほか難しくてダメでした。」
このように、合格率が50%だからと言って、甘く見ていると、痛い目に遭うこともあります。合格率は、あくまでもひとつの目安に過ぎないということを、肝に銘じておきましょう。
第二種衛生管理者の合格率
続いて、第二種衛生管理者の合格率についてですが、この合格率もそのまま受け入れるのには注意が必要です。
そもそも65%という合格率は、世間一般の人の合格率であって、あなたにとって試験が難しいかどうかは別の問題だからです。
衛生管理者の試験は、誰でも受験できる訳ではありません。学校教育を修了後、一定期間の実務経験等を積んだ人に受験資格が与えられます。
ですから、第二種衛生管理者は、社会人としてある程度経験を積んでいる人たちが受験していると考えられます。
つまり、受験者の知識水準が高いのです。
そういった知識水準が高い人が受験して、65%という合格率となっているのです。
もちろん、あなたが社会人としてある程度経験を積んでいるなら、この合格率はあなたにも当てはまるでしょう。しかし、受験資格をぎりぎり満たし、受験する場合は、難しく感じるかもしれません。
合格率は、物差しの一つですので、過信しないことが重要です。
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