衛生管理者に関連する資格
常時50人以上の労働者がいる事業場(人が働く場所)では、衛生管理者などの資格を持っている人の中から衛生管理者を選任しなければなりません。
たくさんの人が働く場所では、それだけ労働者の健康に気を付けなければなりませんので、専門知識を持った衛生管理者が必要なのです。
また、衛生管理者の試験では、幅広い知識を学習しますが、活躍する職場によっては、より専門性の高い知識が必要です。
そこで今回は、衛生管理者に関連する資格について見ていくことにします。
衛生管理者の資格については、こちらをご覧ください。
⇒「衛生管理者って、どんな資格?」
⇒「知って得する衛生管理者の基本情報」
まとめ
衛生工学衛生管理者
試験の種類 | 国家資格 |
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受講資格 | 学歴、保有資格に制限あり |
受講者数 | 非公開 |
合格率 | 非公開 |
講習日 | 年3回~年12回 コースにより異なる |
受講料 | 11,880円~116,640円 コースにより異なる |
難易度 | 普通 |
取得方法 | 講習 |
衛生工学衛生管理者は、衛生管理者の上位資格で、局所排気装置に関することなど工学的対策に特化した資格です。
これを取得することで、さらに上位資格である労働衛生コンサルタントの受験資格を得られます。
東京と大阪で開催されている所定の講習会を受け、修了試験に合格すれば、資格が発行されます。
受講資格によって、2日間~最大5日間の講習が準備されています。
試験の詳細はこちらをご覧ください。
⇒中央労働災害防止協会(講座リスト)
労働衛生コンサルタント
試験の種類 | 国家資格 |
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受験資格 | 実務、学歴に制限あり |
受験者数(H26年度) | 297名(筆記試験) 301名(口述試験) |
合格率(H26年度) | 29.8%(最終) |
試験日 | 10月(筆記試験)、2月(口述試験) |
受験料 | 24,700円 |
難易度 | とても難しい |
取得方法 | 通学 |
労働衛生コンサルタントは、現場の衛生面や労働者を守るスペシャリストです。
また、労働衛生コンサルタントは名称独占資格の1つで、有資格者以外が労働衛生コンサルタントを名乗ることは禁止されています。
一般の工場や工事現場では、その作業によって労働者の健康を害する粉じんやガス、振動といった問題がたくさんあります。
そうした、職場の環境をチェックしながら、労働者の健康と安全についてよき相談相手となります。
具体的には、企業から報酬を得て、その企業の職場が衛生的な問題を抱えていないかを診断して、改善すべき箇所があれば指導することができます。
衛生管理を極めるならば、この資格になるでしょう。
試験の詳細はこちらをご覧ください。
⇒公益財団法人 安全衛生技術試験協会
メンタルヘルス・マネジメント検定試験
試験の種類 | 民間資格 |
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受験資格 | 誰でも受験可 |
受験者数(H26年度) | 1,482名(Ⅰ種) 14,803名(Ⅱ種) 7,419名(Ⅲ種) |
合格率(H26年度) | 18.8%(Ⅰ種) 54.5%(Ⅱ種) 81.6%名(Ⅲ種) |
試験日 | 11月(全種)、3月(Ⅱ種、Ⅲ種のみ) |
受験料 | 10,800円(Ⅰ種) 6,480円(Ⅱ種) 4,320円(Ⅲ種) |
難易度 | 難しい(Ⅰ種) 普通(Ⅱ種) 易しい(Ⅲ種) |
取得方法 | 講習、独学 |
メンタルヘルス・マネジメント検定試験では、メンタルヘルスケアに関して、職場内の役割に応じた対処方法や知識を習得することができます。
メンタルヘルスケアは、衛生管理者の業務範囲に含まれており、平成27年12月からストレスチェック制度が義務化されることから、企業内での重要度も高まることでしょう。
試験には、Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種があり、それぞれの区分で取得目的が異なります。
・Ⅰ種(マスターコース)は、主に人事労務管理スタッフ、経営幹部を対象に、社内のメンタルヘルス対策の推進を目的としています。
・Ⅱ種(ラインケアコース)は、主に管理監督者を対象に、部門内、上司としての部下のメンタルヘルス対策を目的としています。
・Ⅲ種(セルフケアコース)は、主に一般社員を対象に、組織における社員自らのメンタルヘルス対策の推進を目的としています。
衛生管理者の受験者は、管理監督者が多いですので、Ⅱ種を受ける人が多いでしょう。
試験の詳細はこちらをご覧ください。
⇒メンタルヘルス・マネジメント検定試験
食品衛生管理者
試験の種類 | 国家資格 |
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受講資格 | 実務、学歴に制限あり |
受講者数 | 非公開 |
合格率 | 非公開 |
講習日 | 不定期 |
受講料 | 298,000円 |
難易度 | 普通 |
取得方法 | 講習 |
食品衛生管理者は、食肉の製造・加工、又は食品添加物の製造をする施設で必要となる資格です。
必置資格の1つで、食肉工場などの施設では、必ず選任しなければなりません。講習会を受け、修了試験を受けて合格すれば、資格を取得することができます。
また、よく似た名称の資格に食品衛生責任者があります。こちらは食品を扱う営業所で、営業許可とともに必要な資格です。
また、食鳥処理衛生管理者という資格もあります。こちらは食鳥処理場において、コンベアで食鳥を移動させ、連続的に処理していく場合に必要となる資格です。
・食品衛生管理者→食肉等の製造・加工工場で必要
・食品衛生責任者→飲食店を営業するときに必要
・食鳥処理衛生管理者→食用の鳥を処理する工場で必要
試験の詳細はこちらをご覧ください。
⇒食品衛生管理者(厚生労働省)
作業環境測定士
試験の種類 | 国家資格 |
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受験資格 | 実務、学歴に制限あり |
受験者数(H26年度) | 1,046名(第1種) 1,407名(第2種) |
合格率(H26年度) | 62.0%(第1種) 39.0%(第2種) |
試験日 | 8月(第1種、第2種)、2月(第2種) |
受験料 | 10,600円~27,100円(第1種) 11,800円(第2種) ※第1種は科目により異なる |
難易度 | 難しい(第1種、第2種) |
取得方法 | 独学、通学 |
作業環境測定士は、作業場や現場の労働環境を測定・分析するスペシャリストです。職場環境デザイナーともいえるでしょう。
また、業務独占資格の1つで、この資格が無ければその仕事ができないという決まりがあります。
様々な職業にある人が、安全で清潔な環境で働けるように、また、粉じんや薬品等によって職業的な病気にならないように、作業場等の環境を測定します。
試験は、すべての分析が行える第1種と簡易測定による分析業務だけを行える第2種に分かれています。
また、試験合格後に作業環境測定士として働くには、講習を受講して登録する必要があります。
衛生管理者の試験範囲には、作業環境測定に関する内容も含まれています。
あなたの職場で作業環境測定が必要なのであれば、この資格を目指すのも良いでしょう。
試験の詳細はこちらをご覧ください。
⇒公益財団法人 安全衛生技術試験協会
公害防止管理者
試験の種類 | 国家資格 |
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受験資格 | 誰でも受験可 |
受験者数(H26年度) | 25,989名(全区分) |
合格率(H26年度) | 25.0%(全区分平均) |
試験日 | 10月 |
受験料 | 6,400円、又は6,800円 試験区分によりどちらかの料金 |
難易度 | 難しい |
取得方法 | 通学、講習、通信、専門テキスト |
ばい煙、汚水、騒音、振動などの公害の発生を、法律の規制値内にとどめるように管理・抑制する企業内の公害防止責任者です。
必置資格の1つで、公害発生施設、又は公害防止施設の運転、維持、管理、使用している燃料や原材料の検査等を行う事業所に必ず有資格者が必要になります。
特に近年、有害物質や有害エネルギーによる環境への影響について、関心を持つ人が多くなっています。
そういった観点から、これからも需要がある資格だと考えられています。
試験の詳細はこちらをご覧ください。
⇒一般社団法人 産業環境管理協会
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