衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:有害(2022年10月) | 衛生管理者 講習会・通信講座

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衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:有害(2022年10月)

ここでは、2022年(令和4年)10月公表の過去問のうち「労働衛生:有害(有害業務に係るもの)」の10問について解説いたします。
この過去問は、第1種衛生管理者、特例第1種衛生管理者の試験の範囲です。
なお、第2種衛生管理者試験の範囲には含まれません。

それぞれの科目の解説は、下記ページからどうぞ。

衛生管理者の過去問の解説:関係法令:有害(2022年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:有害(2022年10月)
衛生管理者の過去問の解説:関係法令:一般(2022年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働衛生:一般(2022年10月)
衛生管理者の過去問の解説:労働生理(2022年10月)



問11 次の化学物質のうち、常温・常圧(25℃、1気圧)の空気中で蒸気として存在するものはどれか。
ただし、蒸気とは、常温・常圧で液体又は固体の物質が蒸気圧に応じて揮発又は昇華して気体となっているものをいうものとする。

(1)塩化ビニル
(2)ジクロロベンジジン
(3)アクリロニトリル
(4)硫化水素
(5)アンモニア


答え(3)
(1)塩化ビニルは、ガスとして存在します。
(2)ジクロロベンジジンは、粉じんして存在します。
(3)アクリロニトリルは、蒸気として存在します。
(4)硫化水素は、ガスとして存在します。
(5)アンモニアは、ガスとして存在します。



問12 厚生労働省の「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」において示されている化学物質等による健康障害に係るリスクを見積もる方法として、適切でないものは次のうちどれか。

(1)発生可能性及び重篤度を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸として、あらかじめ発生可能性及び重篤度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法
(2)取り扱う化学物質等の年間の取扱量及び作業時間を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等する方法
(3)発生可能性及び重篤度を段階的に分岐していく方法
(4)ILOの化学物質リスク簡易評価法(コントロール・バンディング)を用いる方法
(5)対象の化学物質等への労働者のばく露の程度及び当該化学物質等による有害性を相対的に尺度化し、それらを縦軸と横軸とし、あらかじめばく露の程度及び有害性の程度に応じてリスクが割り付けられた表を使用する方法


答え(2)
(1)(3)(4)(5)は適切。
(2)は不適切。選択肢とよく似た方法として、発生可能性及び重篤度を一定の尺度によりそれぞれ数値化し、それらを加算又は乗算等してリスクを見積もる方法があります。



問13 粉じん(ヒュームを含む。)による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた炎症性病変を主体とする疾病で、その種類には、けい肺、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などがある。
(2)じん肺は、肺結核のほか、続発性気管支炎、続発性気胸、原発性肺がんなどを合併することがある。
(3)アルミニウムやその化合物によってじん肺を起こすことがある。
(4)溶接工肺は、溶接の際に発生する酸化鉄ヒュームのばく露によって発症するじん肺である。
(5)炭素を含む粉じんは、じん肺を起こすことがある。


答え(1)
(2)(3)(4)(5)は正しい。
(1)は誤り。じん肺は、粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病です。その種類には、けい肺石綿肺などがあります。
また、間質性肺炎とは、薬剤や異物の吸入によって、肺胞の壁に炎症が起こり、その壁が厚く硬く線維化し、ガス交換がうまくできなくなる病気です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺胞どうしがくっ付いてしまい息切れ等が起こる肺気腫や咳と痰等を伴う慢性気管支炎のことをいい、長期間の喫煙によって発症することが多いです。なお、COPDは、英語病名のChronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字を取ったものです。



問14 電離放射線などに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)電離放射線には、電磁波と粒子線がある。
(2)エックス線は、通常、エックス線装置を用いて発生させる人工の電離放射線であるが、放射性物質から放出されるガンマ線と同様に電磁波である。
(3)エックス線は、紫外線より波長の長い電磁波である。
(4)電離放射線の被ばくによる白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後、半年~30年後に現れることが多い。
(5)電離放射線を放出してほかの元素に変わる元素を放射性同位元素(ラジオアイソトープ)という。


答え(3)
(1)(2)(4)(5)は正しい。
(3)は誤り。エックス線の波長(およそ0.001~10nm)は、紫外線(およそ100~400nm)の波長より短いです。
nm(ナノメートル)は、m(メートル)の10億分の1の長さを表わします。



問15 作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡(そう)を起こすことがある。
(2)電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。
(3)金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺(ひ)することにより発生し、数時間にわたり発熱、関節痛などの症状がみられる。
(4)窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。
(5)減圧症は、潜函(かん)作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた炭酸ガスの気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺(ひ)などの症状がみられる。


答え(1)
(1)は正しい。凍瘡は組織の凍結を伴わず、低温障害としては軽症です。
(2)は誤り。電離放射線による造血器障害は、確定的影響に分類されます。確率的影響ではありません。
(3)は誤り。金属熱は、金属蒸気の吸入による一過性の発熱症状で、高温環境は直接関係ありません
(4)は誤り。窒素ガスで置換したタンク内の酸素濃度は低く、一呼吸で(瞬時に)失神して、呼吸が停止し、死亡することがあります。
(5)は誤り。減圧症は、血液中や組織中に溶け込んでいた窒素の気泡化が関与して発生します。炭酸ガス(二酸化炭素)ではありません。



問16 化学物質による健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)一酸化炭素は、赤血球中のヘモグロビンと強く結合し、体内組織の酸素欠乏状態を起こす。
(2)シアン化水素による中毒では、細胞内での酸素利用の障害による呼吸困難、けいれんなどがみられる。
(3)硫化水素による中毒では、意識消失、呼吸麻痺(ひ)などがみられる。
(4)塩化ビニルによる慢性中毒では、慢性気管支炎、歯牙酸蝕(しょく)症などがみられる。
(5)弗(ふっ)化水素による慢性中毒では、骨の硬化、斑状歯などがみられる。


答え(4)
(1)(2)(3)(5)は正しい。
(4)は誤り。塩化ビニルの慢性中毒では、肝障害などが起こりますが、気管支炎などはみられません。



問17 労働衛生保護具に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)保護めがねは、紫外線などの有害光線による眼の障害を防ぐ目的で使用するもので、飛散粒子、薬品の飛沫(まつ)などによる障害を防ぐ目的で使用するものではない。
(2)保護クリームは、皮膚の露出部に塗布して、作業中に有害な物質が直接皮膚に付着しないようにする目的で使用するものであるので、有害性の強い化学物質を直接素手で取り扱うときには、必ず使用する。
(3)防じんマスクは作業に適したものを選択し、高濃度の粉じんのばく露のおそれがあるときは、できるだけ粉じんの捕集効率が高く、かつ、排気弁の動的漏れ率が低いものを選ぶ。
(4)複数の種類の有毒ガスが混在している場合には、そのうち最も毒性の強いガス用の防毒マスクを使用する。
(5)エアラインマスクは、清浄な空気をボンベに詰めたものを空気源として供給する呼吸用保護具で、自給式呼吸器の一種である。


答え(3)
(1)は誤り。保護めがねは、飛散粒子や薬品飛沫からも眼を守るものです。
(2)は誤り。保護クリームはあくまでも補助的なもので、保護クリームを塗布したとしても、有害性の強い化学物質を直接素手で取り扱ってはなりません
(3)は正しい。高濃度の粉じんのばく露環境においては、防じんマスクは粉じん捕集効率が高く、排気弁の動的漏れ率が低いものを選ばなければなりません。
(4)は誤り。複数の種類の有害ガスが混在している場合では、そのうち最も毒性の強いガス用の防毒マスクを使用しても、その他の有害ガスにばく露されるため、適切な呼吸用保護具を使用しなければなりません。
(5)は誤り。エアラインマスクは、清浄な空気をホース等で作業者に給気する呼吸用保護具で、送気マスクに分類されます。清浄な空気をボンベで携行し、作業者に給気する呼吸用保護具が、自給式呼吸器です。

(3)の選択肢について補足します。
かつては、下記の防じんマスクと防毒マスクに関する通達によって、呼吸用保護具の適正な使用等が図られていました。
この通達の中に、(3)の選択肢「防じんマスクは作業に適したものを選択し、高濃度の粉じんのばく露のおそれがあるときは、できるだけ粉じんの捕集効率が高く、かつ、排気弁の動的漏れ率が低いものを選ぶ。」という記述がありました。
【参考①】●防じんマスクの選択、使用等について(基発第0207006号 平成17年2月7日)
【参考②】】●防毒マスクの選択、使用等について(基発第0207007号 平成17年2月7日)

しかし、令和5年(2023年)5月に新たな通達が発出され、上記の通達は廃止されました。
これにより、(3)の選択肢の文章が削除され、新たな基準が設けられました。
【参考③】】●防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について(基発0525第3号 令和5年5月25日)



問18 金属などによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)金属水銀中毒では、感情不安定、幻覚などの精神障害、手指の震えなどの症状がみられる。
(2)鉛中毒では、貧血、末梢(しょう)神経障害、腹部の疝(せん)痛などの症状がみられる。
(3)マンガン中毒では、指の骨の溶解、肝臓の血管肉腫などがみられる。
(4)カドミウム中毒では、上気道炎、肺炎、腎機能障害などがみられる。
(5)砒(ひ)素中毒では、角化症、黒皮症などの皮膚障害、鼻中隔穿(せん)孔などの症状がみられる。


答え(3)
(1)(2)(4)(5)は正しい。
(3)は誤り。マンガン中毒では、歩行障害発語障害筋緊張亢(こう)進などの症状がみられます。
指の骨の溶解肝臓の血管肉腫などは、塩化ビニルの中毒でみられます。



問19 局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
(2)フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、効率良く吸引することができる。
(3)ドラフトチェンバ型フードは、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するもので、外付け式フードに分類される。
(4)スロット型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。
(5)空気清浄装置を付設する局所排気装置を設置する場合、排風機は、一般に、フードに接続した吸引ダクトと空気清浄装置の間に設ける。


答え(2)
(1)は誤り。ダクト断面積が小さいほど圧力損失は増大します。
(2)は正しい。フランジ付きフードは、効率的な吸引が可能になります。
(3)は誤り。ドラフトチェンバ型フード囲い式フードに分類されます。外付け式フードではありません。
(4)は誤り。スロット型フードは、外付け式フードの一種です。囲い式フードではありません。
(5)は誤り。排風機は空気清浄装置の後に設けることが一般的です。



問20 特殊健康診断に関する次の文中の[  ]内に入れるAからCの語句の組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。

「特殊健康診断において有害物の体内摂取量を把握する検査として、生物学的モニタリングがあり、ノルマルヘキサンについては、尿中の[ A ]の量を測定し、[ B ]については、[ C ]中のデルタアミノレブリン酸の量を測定する。」

(1)A:2,5-ヘキサンジオン B:鉛 C:尿
(2)A:2,5-ヘキサンジオン B:鉛 C:血液
(3)A:シクロヘキサノン B:鉛 C:尿
(4)A:シクロヘキサノン B:水銀 C:尿
(5)A:シクロヘキサノン B:水銀 C:血液


答え(1)
ノルマルヘキサンについては、尿中の2,5-ヘキサンジオンの量を測定します。なお、シクロヘキサノンの尿中代謝物の測定は、法令に規定されていません。
については、尿中のデルタアミノレブリン酸の量を測定します。なお、水銀については、デルタアミノレブリン酸の量を測定は法令に規定されていません。

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