衛生管理者の言い間違いあるある
衛生管理者の合格を目指している人から、平素より電話、メールでたくさんのご連絡を頂いております。
そんな中、衛生管理者という資格の名前を間違えている人が結構いらっしゃいます。
今回は、衛生管理者のよくある言い間違いについてご紹介します。
「衛生管理者」は、国家資格として正式な名称ですので、この機会にきちんと覚えておきましょう。
衛生管理士
まず、一番多い間違いが、「衛生管理士」です。「者」のところが「士」になっているわけですね。「士」と付く資格は、有名どころのだけでも、こんなにたくさんあるので無理もないですが。
■法律系:行政書士、社会保険労務士
■金融系:ファイナンシャル・プランニング技能士
■不動産系:不動産鑑定士、土地家屋調査士、マンション管理士
■介護福祉系:介護福祉士、社会福祉士
これら「士」の付く資格は、名称独占資格、又は業務独占資格であることが多いです。
名称独占資格とは、資格を取得しなくても業務を行うことはできますが、有資格者以外がその名称を使用することが法律で禁止されている資格です。
たとえば、介護福祉士は名称独占資格に該当します。介護福祉士は高齢者の介護と職員への指導が仕事ですが、これは介護福祉士の資格を持っていなくてもできます。
しかし、無資格者が、その専門家の証である介護福祉士と名乗ってはいけないことになっています。
業務独占資格とは、業務を行うために特定の資格を取得する必要があり、その資格が無ければ業務を行うことができない資格です。資格の名称も独占します。
たとえば、行政書士は公的な書類を作成するのが仕事です。このような書類作成は、行政書士資格を持っていない人が、報酬を受け取って行ってはいけません。
たまに、これに違反した人が、逮捕されているニュースを目にすることがありますね。
ちなみに、衛生管理者は、名称独占資格、業務独占資格のどちらにも該当しません。
また、衛生管理者を「衛生士」と言い間違える人もいます。
歯科医師のアシスタント業務を行う「歯科衛生士」が有名な資格なので、このイメージから来ているのでしょう。
なお、衛生管理士は試験に合格して免許が交付されるような資格ではありませんが、職種としては確立されています(労働災害防止団体法の第12条)。
衛生管理士は、労働衛生コンサルタントの有資格者などがなることができる職種で、各事業場の衛生管理状況・作業工程などをチェックし、改善提案を行います。
さらに、衛生管理に関係する教育・研修を行うなど専門的技術支援も実施します。
安全衛生管理者
「安全衛生管理者」というのも、よくある間違いです。
衛生管理者の前に「安全」という言葉が付いていますが、このような資格は存在しません。これに名称が似ている資格として、次のようなものがあります。
■安全管理者
安全管理者は、建設業や製造業など危険の多い業種で、常時50人以上の労働者がいる事業場で選任しなければならない管理者で、事業場での安全対策、作業場の巡視などが仕事となっています。
■安全衛生推進者
安全衛生推進者は、建設業や製造業など危険の多い業種で、常時10人以上、50人未満の労働者がいる事業場で選任しなければならない管理者です。事業場での安全衛生対策を行うことが仕事です。
■衛生推進者
衛生推進者は、金融業や社会福祉施設など危険が比較的少ない業種で、常時10人以上、50人未満の労働者がいる事業場で選任しなければならない管理者です。事業場での衛生対策を行うことが仕事です。
衛星管理者
「衛星管理者」は、発音が同じなのですが、ネット検索する際に、漢字変換を間違えることがあります。
パッと見たときに、正しいように見えますが、「衛星」と「衛生」の言葉の意味を考えると全く違いますね。
何というか、宇宙に数ある星々を管理できそうな、スケールの大きさを感じる変換ミスですね。
ちなみに、衛星とは、惑星の周りを公転している星のことです。地球の衛星は月ですね。一方、衛生とは、人の健康を守り、さらに健康を増進することです。
以上、色々なよくある間違いについて見てきました。
こういった間違いは、これから衛生管理者の勉強をしようとしている人に多いのですが、間違えて覚えていると、混乱を起こすことがありますので正しく覚えておきましょう。
正しくは「衛生管理者」ですよ!
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